TIPS 不動産相続のポイント

何十年先も見据えた
不動産相続を

不動産相続は、相続のなかで特にトラブルが起きやすいといわれていることを、ご存知でしょうか。その理由は大きく2つ。金銭や物品などとは違って分割が難しいことと、その土地・住宅で過ごした思い出や思い入れがそれぞれにあることです。制度も感情も複雑なため、スムーズに相続を進めるのはどのご家族にとっても難しいことでしょう。
ご家族内だけでは完結させにくい問題ですが、第三者かつ専門知識の豊富な専門家が不動産の価値や皆様の想いを整理することで、見えていなかった解決策が現れることが多くあります。不動産は相続後の活用方法が、住む・売る・貸すと豊富にあるため、相続の段階で数十年先まで考えることが重要です。皆様の不動産相続が問題なく進められるように、気を付けなければならないポイントをご紹介してまいります。

  • Point.01 不動産を正確に評価

    相続後の不動産の活用方法にかかわらず、不動産の価値を正しく知っておくことが重要です。地域ごとに価格が割り振られている路線価などで、大まかな価値を知っていたとしても、最寄駅からの距離や交通の便、土地の形、建物のグレードなどによって、価値は上下します。正しい価値を知らずに遺産分割してしまうと、あとから「不公平じゃない…?」とご家族間のトラブルが起きる可能性も。さらに本当の価値を把握していないと、活用方法を選ぶ際にも困ります。売る・貸すとなった場合の値段設定がわからず、損してしまうかもしれません。適切に分ける・活用するためにも、不動産鑑定士などにしっかり評価してもらうようにしましょう。

  • Point.02 多角的なシミュレーションを実施

    遺産分割の話し合いをする前に、不動産の活用方法を整理しておきましょう。売る場合の価格、貸す場合の家賃や利回り、新しく建物を建てるならどのような建物で費用はいくらぐらいか…など、あらゆる選択肢とその詳細を考えておけば、スムーズに話し合いを進めることができます。

  • Point.03 相続放棄という選択肢も視野に

    自身での使用や賃貸だけでなく、売却も難しい不動産だけが遺産としてある場合は、相続放棄も選択肢の一つとして考えると良いでしょう。いつまでも手放せずにいると、固定資産税がかかり続け、買い取られるまでずっと税金を払わなければなりません。
    しかし相続放棄を行うと、不動産だけでなくすべての遺産を手放すことになります。預貯金だけ相続して、不動産だけ手放すといったことはできませんので、検討・選択は慎重に行いましょう。

  • Point.04 共同名義よりも単独名義で

    「平等」のために、共同名義で不動産を相続するケースも多く見られます。しかし相続後、管理における負担のバランスなどで揉めることも少なくはありません。本当に「平等」にこだわるのであれば、共同で不動産を持つのではなく誰か一人が相続し、他の相続で均等を取ることをおすすめいたします。

  • Point.05 あらゆる専門家に相談できる環境

    不動産の価値は、エリア特性だけでなく、今後の地域の開発予定でも変わってきます。相続時点だけでなく「今後数十年においての価値」を把握できれば、相続時の選択もより納得のいくものにできるでしょう。また先を見据えた価値評価には、金利・税金・法制度などあらゆる知識も必要です。それぞれ専門家が異なるため、不動産相続はあらゆる分野の専門家とのネットワークがある事務所に、相談すると良いでしょう。

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